『戦国無双 Chronicle 2nd』とは、プレイヤーの分身となる主人公を中心に、“戦国時代”を背景に物語を展開させ、戦いのみならず、その時代を生きた武将たちの“想い”を清々しく描いた爽快アクションゲームである。

●2ndの特徴
今作は、前作からのリクエストや要望を随所に反映させた作品となっている。
まずストーリーモードの“無双演武”。こちらは前作の一本道のストーリー展開に比べ、今作ではマルチシナリオ化されている。
シナリオを選ぶ→イベント→合戦→イベント→シナリオ終了、という流れでゲームは進んで行き、合戦後のイベントで選択肢が出現する場合がある。そこの選択内容によって、次に出現するシナリオが変化するといった仕組みだ。

シナリオは、終わればまたすぐ同じシナリオを選ぶ事もできるし、進める事もできる。一度見たイベントはスキップできるようにもなっているので、シナリオを網羅せんとする猛者のための気配りに痛み入る。
更に、シナリオには条件を満たすと解放されるものも多数あり、条件次第では自分の憧れの勢力に参加する事だってできるし、その条件を探す作業がいじらしくもあり楽しくもある。実際、筆者が武田家に士官できた時は相当うれしかった。(けどなんですぐ信玄死んでしまうん(´;ω;`))
次に、主人公のカスタマイズ機能の強化だ。
前作では衣装や武器にとどまったが、今作では顔、髪型、声といった要素もエディット可能になっている。

最後は“猛将演武”だ。
こちらは“ローカルプレイ”による協力プレイのリクエストに応えた形だ。もちろん、シングルプレイでも楽しめるぞ!

こちらは独立したシナリオを2人協力プレイできる。史実をユーモラスに表現したシナリオなので、協力プレイだと盛り上がるだろう。全国ランキングにも対応しているので、腕自慢の方は是非挑戦してみて下さい。
また、“猛将演武”で獲得したアイテムや武将の友好度の上昇は”無双演武”にも引き継がれる。特に友好度の変化は“無双演武”において、任意武将の合戦参加の特権や、シナリオ出現の有無に関わるので、是非上手く活用していきたい。
そして2ndでは3名の新武将が登場します。七度主君を変えた冷徹なる将“藤堂高虎”、宿命背負う可憐(かれん)なる井伊家当主“井伊直虎”、大いなる志を秘めた新陰流の剣豪“柳生宗矩”。
ゲーム中、彼らのエピソードが丁寧に語られ、関わりあるイベントも多い重要キャラクターです。

●戦略性と操作性
武将をタッチパネルで切り替えて操作する“プレイキャラチェンジ”機能は今作でも健在。合戦では、主人公を含め4人の武将を操作して進めていく。
キャラ切り替え時のタッチパネル操作もなかなかスピーディーで、忙しい戦場では役に立つ。特に、戦場のあちらこちらでミッション(シナリオクリアのために重要)が発生した場合、迅速かつ的確なキャラ切り替えが要求される。

そして、武将達は個性的な攻撃のオンパレードだ。

このコンボと特殊技のアクションが武将ごとに千差万別あり、個性的で飽きない。遠距離攻撃や範囲攻撃などは皆バランス良く所持していて、武将のLvが上がるとつながるとコンボも増えていく。ただ、敵対している武将も同じようにコンボを仕掛けてくるので、一度斬られるとなかなか離してもらえないのが難点。そして、武将同士の戦いは、対峙(たいじ)している数の差になかなかシビアなものが有り、1対多勢では苦戦は必至。いかに“戦技”と“無双奥義”を上手く使うかが爽快アクションの鍵になる。

●史実のドラマ性
前述したゲーム進行のマルチシナリオ化により、より深く物語を鑑賞できるようになっている。戦国時代のメインストーリーともいえる織田信長、豊臣秀吉、徳川家康以外にも様々な大名や武将にクローズアップし、同時期に起きた物語を見せてくれるのは、歴史好きとしてありがたい。逸話に基づく会話イベントや、丁寧に物語の経緯が説明されている事も、世界観に浸りやすい。
そして全体的に感じたのが、武将達の“志”を清々しいまでにドラマチックに演出しているという事。
歴史に精通している制作陣だからこそなし得るエンターテイメントだと感じた。そんな『戦国無双 Chronicle 2nd』。本作オリジナルシナリオもたくさんあるので、そのシナリオを拝むまで、やり込んでプレイをしてみよう!
<製品概要>
■商品名 『戦国無双 Chronicle 2nd』
■ジャンル アクション
■発売日 2012年9月13日 好評発売中
■対応機種 ニンテンドー3DS
■CERO B指定
■希望小売価格(税込)6090円
■発売元 コーエーテクモゲームス
■公式サイト [リンク]
(C)2012 コーエーテクモゲームズ All rights reserved.
(ゲームレビュアー:ヒラノ課長)
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