昨年12月20日、巨大掲示板「2ちゃんねる」の元管理人で会社役員の西村博之氏が書類送検され、ネット上で大きな話題となった。容疑は、掲示板で覚せい剤などが売買されていると知りながら、該当の書き込みを削除しなかったというもの。これに対し、ネット上では「ついに2ちゃん潰しが本格化した」と騒がれ、西村氏の逮捕の可能性もささやかれている。
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西村氏は以前から、警察からの削除依頼のメールは自身の元にほとんど来ておらず、届いたものに関しては対応したと主張していた。だが、警察が西村氏のパソコンを押収したところ、削除依頼のメールが数百通見つかったという。
これに不服をとなえる西村氏は、昨年末に出演したニコニコ生放送で反論。「明確な法違反はしていない」「自分の知る限り、削除の依頼は来ていない。警察は削除要請のメールを送っていないんじゃないか。削除する場合は、裁判所の判断を下さいということ」とあらためて主張した。
「警察と西村氏の間で、削除要請に対する認識が違うようです。警察は財団法人インターネット協会が運営するホットラインセンターと協議して削除要請をしていましたが、西村氏は裁判所の判断がなければ違法性を認められないと主張している。また、警察のメールが2ちゃんねるの削除要請の形式に沿っておらず、正式な要請と認識されなかったようです」(IT系ライター)
西村氏の書類送検はアメリカなど海外でも話題になっている。ある海外掲示板では「だったら違法なサイトを掲載しているGoogleも逮捕されなきゃおかしい」「トヨタ車に乗って事故起こして、その責任はトヨタにもあるって言ってるのと同じだよ」といった擁護の声が多く挙がっている。やはり、掲示板の違法書き込みを放置しただけで書類送検されるというケースは、海外でも稀であるようだ。
今後の焦点となるのは、西村氏が起訴されるかどうか。だが、捜査関係者は「起訴は困難」と口をそろえており、不起訴処分になる見通しだ。西村氏は現在も2ちゃんの実質的管理人といわれているが、登記上はシンガポールの企業に2ちゃんねるを売却したことになっており、その関係を完全に立証するのは困難である。仮に立証できたとしても、書き込みを放置しただけの容疑で逮捕し、有罪に持ち込める保証はない。警察としては、大々的に2ちゃんを捜査した手前、西村氏を書類送検しなければメンツが保てないという裏事情もあるようだ。
それにしても、ここまで2ちゃんねるを目の敵にする警察にはどんな意図があるのだろうか。
「一昨年に警視総監に就任した樋口建史氏は、サイバー犯罪の摘発で活躍した経歴がある。前任の池田克彦氏が暴力団排斥で高く評価されたこともあり、自分の代ではサイバー犯罪の温床といわれる2ちゃんに目標を絞ったのでしょう。その象徴的人物として、西村氏が狙われたといえます」(前同)
おそらく、今年も警察はネットに対する取り締まりを今まで以上に強化してくるだろう。西村氏の書類送検は決して他人事ではなく、いつ我々の身に降りかかってきてもおかしくない出来事といえる。必要以上の権力介入によってネットの自由を侵されないためにも、警察の動きを注視しておくべきだろう。(佐藤勇馬)
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「警察と西村氏の間で、削除要請に対する認識が違うようです。警察は財団法人インターネット協会が運営するホットラインセンターと協議して削除要請をしていましたが、西村氏は裁判所の判断がなければ違法性を認められないと主張している。また、警察のメールが2ちゃんねるの削除要請の形式に沿っておらず、正式な要請と認識されなかったようです」(IT系ライター)
西村氏の書類送検はアメリカなど海外でも話題になっている。ある海外掲示板では「だったら違法なサイトを掲載しているGoogleも逮捕されなきゃおかしい」「トヨタ車に乗って事故起こして、その責任はトヨタにもあるって言ってるのと同じだよ」といった擁護の声が多く挙がっている。やはり、掲示板の違法書き込みを放置しただけで書類送検されるというケースは、海外でも稀であるようだ。
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それにしても、ここまで2ちゃんねるを目の敵にする警察にはどんな意図があるのだろうか。
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おそらく、今年も警察はネットに対する取り締まりを今まで以上に強化してくるだろう。西村氏の書類送検は決して他人事ではなく、いつ我々の身に降りかかってきてもおかしくない出来事といえる。必要以上の権力介入によってネットの自由を侵されないためにも、警察の動きを注視しておくべきだろう。(佐藤勇馬)
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